セジュン氏ポケモンWCS世界大会パーティレポート(翻訳)

元記事:http://blog.naver.com/wp2dmldkdlel/220226261904

【前書き】
 こんにちは。忙しい日々もだいぶ落ち着いてきて、2014年も終わり、遅ればせながらレポートを書きます。応援してくださった皆様、祝ってくださった皆様、素晴らしい祝賀イラストを描いてくださった皆様、遅れましたが感謝の言葉をお伝え致します。感動しました;;

【パーティ構築の経緯】
大韓民国代表選抜戦が7月にあったので、受験生活と重なり8月の世界大会まで準備時間はあまりありませんでした。なので比較的完成度が高い国家代表戦で使用したパーティ(http://blog.naver.com/wp2dmldkdlel/220063432184)をそのまま使おうかとかとも思いましたが、既に海外でも似たようなパーティが使用されており、ありふれたパーティは実力者達が集まる世界大会の環境には適切ではないと考えました。すなわち、短い時間で環境に合うパーティを組む必要があったのです。
まず目を付けたのはカロスダブルの初期から注目していたメガギャラドスでした。実際にメガギャラドス軸バーティで韓国WCS一次予選で優勝したくらい強力だったし、あまり使われていないだけに対策の対象となるポケモンでもなかったので世界大会で使用するにはかなり適切なポケモンだと思いました。そして普段から強いと思っていた三匹(スカーフサナ、タスキガブ、珠アロー)の天敵であるロトムギャラドスが強いためとりあえず簡単に四匹が決まりました。あとはギャラドスを活躍させるために怒りの粉又はこの指とまれを持ったポケモンが必要でした。以前はモロバレルを使っていましたが、ここで気を付けるべきことがありました。それはカロスダブル後期に急激に流行し始めた防塵ゴーグルサンダーと突撃チョッキルンパッパにギャラドスモロバレルがとても弱いので特段の措置がないメガギャラドス軸パーティを使用するのは難しいということでした。しかし回答は簡単に見つかりました。まさにこの指パチリスです。
そして最後にメガギャラドスにとって脅威となる特性「威嚇」ポケモンの対策が必要だったのですが、ここでゴチルゼルが入ってきます。ポケモン達の詳細を下に個別説明します。

【世界大会】
このようにして6匹のパーティが完成しました。確かに弱点は存在していましたが、その頻度は高くなかったし、敢えてそれを対策して既存の均衡を揺さぶることは(スイスラウンド方式だったため、6名とだけ対戦して一回くらい負けてもベスト8トーナメント進出に問題がなかったので)大会の特性上不適切だと思いました。それでも世界大会LCQ(Last Chance Qualifier、本大会前日にトーナメントを通じて部門別4名の最後の選手追加の参加者を決定する大会)でアメリカのWolfe Glick選手と日本のShota Yamamoto選手がこのパーティの弱点の一つであったゴチルゼルトリックルームパーティを使用していたのが若干不安だったのは事実で、本大会で私を含め延べ7名もゴチルゼルを使用していたのはとても意外でした。確かにカロスダブルにおいてゴチルゼルはその強さの割に使われていなかったのは事実なので、世界大会のために皆が隠していたカードではないかと思います(笑)。
実際にスイスラウンド2回戦、4回戦でゴチルゼルと当たりましたが2回戦は負けて、4回戦にも負けると脱落確定なので慎重に慎重を重ねてプレイし、どうにか勝つことができました。戦った試合全ての説明と感想も書きたいですが、全てしっかり作成する気が起きないので省略します。すみません。

【個別説明】
ギャラドスギャラドスナイト 威嚇→型破り
性格:意地っ張り
努力値:H4 A252 S252
技:竜の舞 滝登り 地震 守る
パーティのエースです。ダブルバトルでとても有効な威嚇を持っており、竜の舞は一度でも使えればその影響力は大きく、その上ファイアローと並べればとても強力です。カロスダブル後期に大流行したヒートロトムを型破り地震で簡単に落とせるし、威嚇に強い負けん気キリキザン及び、ずっと環境にいたギルガルドのタイプ一致攻撃を半減できるのも大きな長所です。竜の舞の後の安定性を考えると守るは必須。
努力値は竜の舞一回で、地震ウォッシュロトム及び滝登りでメガバンギラス確1をとることが重要だったので攻撃に全振りし、敢えてHに振らずとも元々の能力が高く特に調整するところも見当たらなかったのでSにも全振りしました。するとSは133(舞+1で199)で一般的なロトムより早いし、舞+1で控えめスカーフサナ+1になります。

パチリス@オボンの実
性格:腕白
特性:蓄電
努力値:H252 B252 D4
技:ほっぺすりすり この指とまれ 怒りの前歯 守る
パチリスです。モロバレルと違い防塵ゴーグルと草タイプに無視されずに攻撃を吸い取れる点、ファイアローブレイブバードを半減できる点、怒りの前歯で削って残りのポケモン達がとどめを刺しやすくできる点、ほっぺすりすりと怒りの前歯が攻撃技であるため挑発に影響を受けない等、長所がとても多いポケモンです。特に後半大流行していたサンダーにとても強かったです。(たまに見る放電はめんどくさいですが・・・)電気技を受けると蓄電で回復するので相手は簡単には電気技を使えません。なので敢えてこの指を使わないでほっぺすりすりや怒りの前歯をするなど、優秀な技とも相まってバトル内でのオプションが多いです。
元々はモロバレルにより強くするために防塵ゴーグルを使っていましたが、発動する状況がかなり限定的である上にテストの時相手はモロバレルをあまり選出してこなかった傾向があったので、汎用性の高いオボンの実に変えました。基本能力があまり高くないパチリスが長く居座る助けになりました。
努力値は環境に物理が多かったのでHとBに全振りしました。おかげで威嚇がなくともメガガルの捨て身タックルやメガクチートのじゃれつくなど強力な物理技を無理なく耐えられたし、Dは元々比較的高かったので敢えて振らなくてもギルガルドのシャドボをDダウンがなければオボン込みで大体確定3になります。

ゴチルゼル@食べ残し
性格:穏やか
特性:影ふみ
努力値:H252 B172 C4 D76 S4
技:サイコショック 電磁波 くすぐる 守る
ゴチルゼルを使う計画は当初ありませんでしたが相手の威嚇サイクルをどうにか解決できないかというところから注目したポケモンです。ギャラドスがつらいボーマンダ及びクチートなど威嚇ポケモンを引っ込めさせずに弱体化させたり他のポケモンで処理して、ギャラドスが活躍しやすい環境を作ることが役割です。麻痺をまくことは相当有力なのでパチリスがいなくとも麻痺をまけるように電磁波を入れました。くすぐるは相手のAとBを同時に下げるので相手の物理ポケモンの火力を低下させるだけでなく物理特殊関係なくギャラドスガブリアスがとどめをさすのを簡単にしてくれるとても優秀な技です。サイコショックはくすぐるとコンボ性があり、また少し面倒なチョッキルンパにダメージがかなり入るということだけでも使用に値します。
努力値は正直に言うと特に調整したところはありません。物理特殊共にある程度の耐久を持ち合わせているので適当に振りました。大体のプレイヤーは環境に多かったメガネサザンの悪の波動を耐えるためにDを厚くしていましたが、私はそのためにBを諦めるよりまずそれを喰らうことのないようにすることの方が最善だと思いました。代表的なプレイングとしては相手のエントリーに猫だまし持ちがいなくサザンドラがいたらサザンを先発で出してくることが多いので、サナとゴチルゼルを先発に出して交代できないサザンをスカーフサナのマジカルシャインでまず倒します。すると2回戦ではサザンを先発に出してこないことが予想されるのでこちらも先発を変えて優位に立つといったプレイです。 また、特定の相手にはギャラドスを先発に出して威嚇、次にゴチルゼルパチリスに交代して仕事をさせて後々ギャラドスをまた出し、竜の舞からフィールドを整理していくといったプレイも有効です。

一度威嚇対策で勝気ゴチルゼルはどうかと思って命の珠で使ってみました。勝気なしでもHBバレルを確1、勝気発動でめざぱ炎でH252クチートを確1!すごいでしょ!でもクチートのふいうちで死にます。終わり。

サーナイト@拘りスカーフ
性格:臆病
特性:テレパシー
努力値:H4 B44 C252 D4 S204
技:マジカルシャイン サイコキネシス ムーンフォース 威張る
スカーフサナはカロスダブルでずっと愛用していました。立派な攻撃性能、優秀なタイプ一致全体技、高火力フェアリー技を素早く放てるほぼ唯一のポケモンです。ムーンフォースでH4ガブを 183 (99.5%) ~ 216 (117.4%)で大体落とせるし、サイコキネシスフシギバナ、バレルなどに対する大きなダメージソースとなります。
メガライボルトプテラ、舞+1メガバンギラス等を抜く為に控えめではなく臆病にする必要がありました。努力値は最速メガライボルト+1になるように調整したすいすいルンパッパ+1とし、残りはCとBに振りました。サーナイトはBが低いので弱い攻撃でも危ない場面が多かったのでHよりはBに振る方が良いと思いました。決勝でメガルカリオバレットパンチを耐える確率を高めてくれたのもこのB振りのおかげですね。
スカーフサナの四番目の技は常の悩みでした。気合玉?シャドボ?癒しの波動?道連れ?鬼火?サイドチェンジ??どれも前の三つの技に隠れて使用機会がほとんどありませんでしたが、それなりに効果のある技達なので選択に悩みました。そして、威張るを入れれば不意の局面でとてつもない利益を得られるのではないかと思い、大きな決心!をして入れました。

もちろん使用機会はありませんでした。汎用性は気合玉が一番良いです。

ガブリアス@気合の襷
性格:陽気
特性:サメ肌
努力値:H4 A252 S252
技:地震 ドラゴンクロー 岩雪崩 守る
さすがはカロスダブル使用率一位のガブリアス、パーティに入れるだけで多くのポケモンのカウンターとなります。気合の襷のおかげで不意の一撃にも関係なく攻撃することができます。このポケモンについては特に語る必要はなさそうですね。

ファイアロー@命の球
性格:無邪気
特性:疾風の翼
努力値:A252 C164 S92
技:ブレイブバード オーバーヒート 挑発 ファストガード
ギャラドスがつらい草格闘タイプのポケモンに先攻して簡単に倒してくれるギャラドスの優秀なパートナーです。 ファストガードギャラドスの脅威になる相手の猫だまし、悪戯心、アローのブレバ等を防いでくれる重要な技です。挑発は対トリパの対策等、挑発がほしい場面のために入れましたがあまり有効ではなかったので守るに変えた方が良かったと思います。
オーバーヒートはブレイブバードとは違い威嚇の影響を受けずメガクチートを確1にできる点、反動ダメージを受けないのでHPが残り少ない状況で使っても倒れない点、HBバレルを 218 (98.6%) ~ 261 (118.1%)と、高い確率で倒せる点、ギルガルドのキングシールドに防がれても影響を受けないなど大きな長所がたくさんあります。短所はやはり外れるところと努力値をCに割くためSにあまり振れないこと、氷状態で使っても溶けないなどが挙げられますね。
努力値ブレイブバードの基本火力のために全振り、Sは最速105族+1にしてコジョンドの猫だましを防げるようにして残りをCに振りました。

【最後に】
これでWCS2014パーティレポートは終わりです。足らない文章力ですが楽しく読んでもらえたらと思います。長い夢だったワールドチャンプも叶えて本当に感慨深い一年でした。ここでは終わらせず来年もがんばります。応援してくださった皆様、お祝いの言葉をくださった皆様に今一度感謝いたします。